ロイヤル・ハワイアン・センターの再開発プロジェクトについて

「ロイヤル・ハワイアン・センター、ワイキキのフラッグシップの再生」

Honolulu, HI - Royal Hawaiian Center
2010年8月31日発行の”Retail Redevelopment”に掲載されたセス・パーカー氏による特集記事より

ハワイの多くのフラッグシップストアが並ぶワイキキ有数のデスティネーションの一つとして1979年にオープンしたロイヤルハワイアンショッピングセンターは、2005年頃には、主要な小売店のほとんどを失い、店舗スペースの空きが目立っていました。創業以来29年ぶりに行われた近年の全面改装工事により、ロイヤル・ハワイアン・センターは、ハワイでもっとも多くのフラッグシップストアが揃う、観光客や地元の人々も楽しめるワイキキのランドマークに生まれ変わりました。ハワイの文化的な要素をふんだんに取り入れた国際的なショッピングとエンターテイメントのデスティネーションとななっています。

ロイヤル・ハワイアン・センターは、ハワイ最大の民間土地所有者であるカメハメハスクールズが所有、フェスティバルカンパニーによって運営されています。同校が所有する6エーカー以上のワイキキの土地に建つ31万平方フィートのセンターは、ロイヤル・ハワイアン・ホテルやシェラトンワイキキホテルに隣接しています。再開発と設計デザインを担当したカリソン・カンパニーズは、老朽化の進んだショッピングセンターを活気に満ちた、ライフスタイル志向の小売店やエンターテイメントの集まるコミュニティに再生しました。

ワイキキの活性化

通称"ワイキキのロデオドライブと呼ばれるセンターは、カラカウア通りに沿って東西に1,200フィート、ルワーズ通りに沿って南北に340フィート広がっています。センターの全面改装は、ワイキキビーチの再開発と活性化における重要なプロジェクトの一部となっています。

"過去10年間で市政府は、ワイキキのインフラストラクチャーをアップグレードするために1億ドルを費やしてきました。これに対し民間セクターでは、ワイキキを世界的なデスティネーションとするため、ホテル客室やリテール、レストランやショールームの改装に34億ドル以上を投資しています。ロイヤル・ハワイアン・センターは、この再開発プロジェクトの中でも戦略的に中心的な役割を担っています。センターは、文化と商業の中心であるワイキキの中心を、ショッピング、ダイニング、エンターテイメントとリラクゼーションの楽しめる憩いの場として、本来のあるべき姿に再生することに成功しました。」とワイキキ・インプルーブメント・アソシエーションのリック・エガード氏は述べています。

現代のリテールのために再設計

1970年代に流行したミニマルな建築スタイルで建てられた以前のセンターは、一見、高級なショッピングセンターというより駐車場のような外観でした。それはワイキキビーチの歴史や伝統のある美しいホテルなどの景観やトロピカルな雰囲気にはまったく溶け込んでいなかったと言えるでしょう。

時が経つにつれ、このようなセンターの物理的な構造や設計面における制約が、変わり続けるリテール業界の進化に対応できなくなっていました。しだいに多くのフラッグシップストアがセンターを離れ、全面改装中の時点では、店舗スペースが50%の空き状況という苦境に陥りました。

再開発戦略の一環として、フェスティバル・カンパニーは、ショッピングセンター再生のために、新しいマーチャンダイジング計画を採用しました。それは日本やヨーロッパやアメリカ本土からの旅行者のみでなく、地元の人々にも利用してもらえるよう、幅広い価格帯の多彩なリテールを提供することでした。このアプローチはレストランにおいても同様に採用され、その結果、魅力的なテナントのミックスが実現しました。「ロイヤルハワイアンセンターはグローバルなデスティネーションであり、われわれの顧客となるのは、世界中の人々です。」とフェスティバル・カンパニーの 最高経営責任者(CEO)のロザリンシューギン氏は述べています。

現在、センターでは、4階建て3つの建物にわたって110店のショップが並んでいます。うち15店は2つのレベルにまたがるブランドのフラッグシップです。主なショップには 、アップルストア、カルティエ、エルメス、サルバトーレフェラガモ、フェラーリストア、ブルガリ、ビビ、レスポートサック、ロレックス・カイマナケア、ケイトスペード・ニューヨーク、トゥルノー、ジューシークチュール、トリーバーチ、FENDIなどがあります。景気低迷にもかかわらず、センターの活性化とそれに付随するマーケティングキャンペーンは、2009年に売上13%増を実現しました。さらにフォーエバー21は 2010年末に、3階建て42,500平方フィートのハワイ最大フラッグシップをオープンしました。

自然に調和する優しい印象のセンターに

1.15億ドルをかけた大改装は、2005年7月から2008年6月の間に行われました。これにあわせてテナントも、スペースの拡大とアップグレードのために総額10億ドルを投資しました。この結果、トロピカルな雰囲気で、モダンで明るくエレガントなセンターに生まれ変わりました。

カラカウア通りとルワーズ通りに面した外壁は、従来の設計による重いコンクリートの壁面が取り払われ、オープンでモダンなデザインに刷新されました。中に入るとオープンエアで自然にとけ込んだ作りのセンターでしたが、ワイキキのメインストリートからはこの外壁のために遮断されていました。フラッグシップはそれぞれのブランドに合う個性的なデザインにハワイらしいデザインを取り込んだ外観になっています。

新しいデザインには、ハワイに昔からあるネイティブな植物や太陽の光をうまく取り込むための建築的な構造が盛り込まれています。トレリスのデザインは、ハワイのアウトリガーカヌーに由来するもので、従来のセンターの角張った外観を優しい印象に変えています。またセンターの各ビルをつなぐ3つの橋は、センターの集いの場となっているロイヤルグローブを見下ろす1本の軽い橋に作り替えられました。

ハワイらしさ

かつてハワイの王宮があった“ヘルモア”として知られている土地に建つロイヤル・ハワイアン・センターには現在、ハワイ独自の文化の中心としても重要な場所になっています。以前のセンターの中央の大部分が取り壊され、ワイキキ最大のグリーンスペースに生まれ変わりました。ロイヤルグローブでは、ヤシの木や豊かなハワイの原生植物に囲まれ、オープンエアのステージやパフォーマンスエリアのある憩いの場所です。ここでは日替わりでフラやハワイアンミュージックなどのパフォーマンスが一日に何度も行われています。ここはセンターと周辺のホテル、そしてカラカウア通りをつなぐ人々の集いの場所となっています。

リテールスペースを減らして作られたロイヤルグローブですが、このユニークなフィーチャーがセンターを他のショッピングセンターとは一線を画するための重要な要素になっています。かつて1万本のヤシの木が生えていたハワイ王室にゆかりのある場所、ワイキキを従来のように復元することで、歴史的にも意味合いのある場所となりました。ロイヤルグローブの中心には、カメハメハスクールズの創設者であり、カメハメハ大王のひ孫にあたるバーニス・パウアヒ・ビショップ王女の銅像が建っています。ビルとビルをつなぐ橋からはこの美しい中庭を見下ろすことができます。またエアコンの効いたカイラニヘリテージルームでは、3本のハワイの文化や歴史に関するビデオを常時放映しています。

スムーズなアクセスとラナイ

スムーズなアクセスとラナイ 新しい設計により、センター内外からのアクセスが改善され、ハワイらしさが強調されました。橋やエレベーター、エスカレーターでつながれた3つのビルからなるセンターは、周辺ホテルやワイキキの通りの通行人からもアクセスしやすくなっています。新たに作られた海側の入口はロイヤルハワイアンホテルとシェラトンワイキキホテルに面していて、リゾートらしい雰囲気の通路の両側には美しいリテールショップが並んでいます。

新しいエレベーターがセンター中に設置され、アウトドア席のあるショールームやレストランはビジターの上階へのアクセスを増やすために3階と4階に設けられました。手すりや照明をはじめ、センター全体には、ハワイの歴史ある土地ならではのヤシの木や葉、縄や樹皮などのデザイン要素がふんだんに取り入れられています。またフェスティバル・カンパニーは、新たにラナイとバルコニーを増やし、主要なレストランのテラス席や景観を楽しんだり一休みするための公共スペースとなりました。

パイナラナイという名前のオープンエアフードコートでは世界各国のカジュアルダイニングが楽しめます。寿司からタコスまで、様々な料理のテイクアウトが可能です。またレストランには、世界でも大人気のチーズケーキファクトリーやニューヨークのウルフギャングステーキハウス、道楽寿司、イルルピーノトラットリア&ワインバー、北京やレストラン燦鳥、お好み焼き千房、ファイブスター・インターナショナルビュッフェなどがあります。

設計会社であるカリソン・カンパニーズ会長のロバート・ティンダル氏は、「今回の再開発プロジェクトによって、ロイヤル・ハワイアン・センターは、世界からの旅行者のみでなく、ハワイに住む人々にも十分に楽しんでもらえるデスティネーションになりました。われわれのデザインはセンターの活性化に焦点を当てるとともに、その意味深い 場所とワイキキのコミュニティへの重要性に配慮したものです。アウトドアショッピングセンターとハワイの庭園が融合した人々をもてなす新しいワイキキのランドマークに生まれ変わりました。」と述べています。

illustrative map showing the changes made during the revival project